戦後に咲いたガラスの花

my collection 出会い

出会い

パソコンでアメリカのサイトを見ていたある日、ふと目を留めた翡翠。 一瞬、「緑色が澄んで質が良く、彫りも立体的でなんて素敵なのかしら」と思った。 だがその一瞬後に、「いやいや、これは翡翠じゃないわ」と。クリソプレーズ?アベンチュリン?なわけないね~、と思いながら説明書きを読んでびっくり。ガラスでした。 こんなガラスがあるのかと、素敵なものに出会えた嬉しさと、信じられないという戸惑いと。すぐさま同じようなガラスがないか、パソコンにかじりついて探し回りました。

そ うすると、初めに見つけた平板な板状で、いかにも中国翡翠を模したと見受けられるものと、こんもりとうず高く菊の花や萩などが盛り上がっていて、まるで珊瑚や象牙の帯留めを思わせる日本的なもの、 幾何学的でどこかアールデコの雰囲気を漂わせているヨーロッパ的なものの三種類があることに気付きました。 色も、翡翠の緑や珊瑚の白を含んだオレンジだけでなく、赤茶色く澄んだカーネリアン、紫のアメジスト、紺色のラピスラズリ、黒いオニキス、水色のトルコ石などを思わせる色、そして乳白色など様々なものが見つかりました。

日本の戦後に咲いた花

さらに驚いたことには、前の二種類、それらはオキュパイド・ジャパン、つまり戦後の占領下の日本で作られた品らしく、後者はチェコ製や西ドイツ製とのことでした。 型にガラスを流し込み、プレスしたのでしょうか。それともパート・ド・ヴェールのように鋳造したのでしょうか。 安価なものですからきっと金型でしょうね。 型の精緻さとしては、日本的なるデザインが群を抜いていました。複雑な立体でありながら、型から抜くことができる角度を保っている。色々な制約を振り払って、こんなに美しいものを作ったなんて・・・戦後の間もなく日本の底力を感じさせる巧みな技術のたまものに虜になってしまいました。

そうして、アメリカへの輸出のために作られた品であり、日本で流通することはなかったこと、アメリカでは雑貨として、手芸品のパーツと認識されていると知りました。 いつか消費されて無くなってしまうことを恐れ、 残しておけたらと思いすこしづつ買い求めてきました。 このようにして、私はカボッションと出会い、それからカボッションを見つける日々が始まり、続いているのですが、この度、ここに残すことにしました。

鐸木 ちえ

鐸木 ちえ

 シルバーsilver950にジュエリーストーンを組み合わせて、日々を豊かな気分で過ごせるような一品もののアクセサリーを制作しています。 [qr-code id="543"]

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP